現時点で、二重国籍(複数国籍)を全面的に認めるような
具体的な法改正の動きは、政府・国会レベルでは現実的にはありません。
むしろ、直近の動向としては「国籍取得の厳格化」に向けた議論が先行しています。
1. 現状の政府の動き
- 厳格化の検討: 政府・与党内では2025年に向けて、外国人が日本国籍を取得する(帰化)際の条件を厳しくする方向で検討が進んでいます。具体的には、必要な居住期間を現行の「5年以上」から「原則10年以上」へ引き上げることや、永住許可への日本語能力の追加などが議論されています。
- 法改正の優先度: 現在の法改正の焦点は、二重国籍の容認よりも、偽装認知による不正な国籍取得の防止や、帰化制度の運用見直しに置かれています。
2. 司法(裁判)の動向
法改正を求める声の根拠として期待されていた「国籍法は違憲である」とする訴訟が各地で起きていますが、厳しい状況が続いています。
- 合憲判決の継続: これまでの裁判(東京地裁・大阪地裁など)では、いずれも「二重国籍を認めない国籍法の規定は合憲(憲法に違反しない)」との判決が出ています。
- 係争中の訴訟: 2025年12月には、子どもの国籍はく奪の違憲性を争う訴訟の控訴審判決が予定されていますが、これまでの司法判断の流れを覆すには至っていません。
3. 今後の見通し
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現状、20歳での国籍選択は義務ですが、他国籍の離脱は努力義務にとどまっており、実質的に二重国籍を維持している人が多くいる状況です。政府もこれを積極的に摘発していません。政治家の一部からは容認論も出ていますが、党内には反対意見も根強く、法改正に向けた議論は停滞しています。
これらの状況から、2025年現在、二重国籍を認める法改正が近い将来に行われる可能性は低いとみられます。
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