佐々木みのり医師(大阪肛門科診療所副院長、Xアカウント@koumonka_doctor)は、2024年の衆議院選挙で日本保守党から近畿ブロック比例代表候補として立候補しました(名簿2位、当選には至らず)。彼女は肛門科専門医として知られ、反ワクチン活動やワクチン後遺症関連の講演も行っており、WCH Japan(World Council for Health Japan)の副代表を務めています。
イベルメクチンについては、彼女の診療所で自由診療として処方しており、主にワクチン後遺症やがん治療の適応外使用を主張・実践しています。具体例として:
- ブログやXで、末期がん患者への投与事例や海外ドクターの報告を肯定的に紹介。
- 患者から「診療所処方のイベルメクチンは副作用が少ない」との相談を受け、輸入品との比較を議論。
- 癌治療への応用を積極的に発信(例: イベルメクチン発祥50年シンポジウムでの言及)。
これらの使用は、エビデンスが不足しており、問題が多いと指摘されます。理由は以下の通りです:
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1. COVID-19やワクチン後遺症への使用
- 大規模RCT(TOGETHER試験、PRINCIPLE試験、ACTIV-6試験など)で効果が否定され、Cochraneレビューでも低品質証拠のみで有意差なし。
- WHO、FDA、厚生労働省は臨床試験以外での使用を推奨せず。
- 適応外投与は副作用リスク(神経毒性、肝障害など)があり、個人輸入品の品質問題(汚染報告)も懸念。
2. がん治療への使用
- in vitro(試験管レベル)で一部抗がん効果が示唆されるが、臨床試験(NCT番号登録のもの)は初期段階で有意差なし。
- 人間達成可能な用量では効果再現性低く、標準治療(化学療法など)の遅れを招くリスク。
- 海外報告も観察例が多く、RCTベースのエビデンス不足。誇大宣伝は薬機法違反の可能性。
総括
佐々木医師のイベルメクチン推進は、反ワクチンコミュニティ内で支持を集めていますが、科学的コンセンサス(大規模試験の否定)と乖離しており、不適切使用による健康被害(中毒報告あり)や標準治療の妨げが懸念されます。医師としての発信力があるだけに、誤情報の拡散リスクが高く、問題視されています。適応外使用を検討する場合は、信頼できる医療機関でエビデンスに基づいた相談を推奨します。
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