事件の詳細この訴訟は、日本保守党(以下、日保党)内の対立が背景にあり、原告の有本香氏(日保党事務総長、ジャーナリスト)と伊藤純子氏(日保党党員)が、被告の飯山陽氏(イスラム思想研究者、元日保党衆院選候補者)を相手に起こした名誉毀損による損害賠償請求事件です。提訴は2025年で、東京地方裁判所(東京地裁)で審理され、2026年1月20日に原告の請求が全面棄却されました。訴訟費用は原告負担とされ、日保党側にとっては連続敗訴(2連敗)となりました。以下に、事件の経緯と内容を時系列でまとめます。背景ときっかけ
- 日保党内の対立の始まり: 日保党は2023年に百田尚樹氏(作家、党代表)と有本香氏を中心に結成され、保守派の支持を集めました。飯山氏は2024年の衆院選東京15区補選で日保党公認候補として出馬しましたが、落選後、党運営や内部人事に関する不満を公にし始めました。特に、党首の百田氏や有本氏に対する批判がエスカレート。飯山氏は自身のYouTubeチャンネル「飯山あかりちゃんねる」で、党の内部事情を暴露する動画を複数公開しました。
- 具体的な争点: 原告側は、飯山氏の動画や発言が名誉を毀損したと主張。代表的な例として、飯山氏が有本氏や伊藤氏を指して「子宮摘出」関連の発言(詳細は、原告らが「子宮を摘出されたような冷徹さ」といった比喩的な中傷と解釈)をした点が挙げられます。これを原告側は「事実無根の侮辱」として問題視。飯山氏はこれを「党内の圧力や排除行為に対する比喩的な表現」として反論し、名誉毀損には当たらないと主張しました。また、飯山氏は原告側の提出証拠(動画の文字起こし)が「切り取り・捏造」されていると告発しています。
- 関連する他の発言: 飯山氏の動画では、日保党の党費管理や選挙資金の不透明さ、百田氏の「暴言」なども批判。原告側はこれらを「党の信用失墜を狙った虚偽」として提訴。一方、飯山氏は「党から不当な排除を受け、動画削除を強要された」と主張し、被害者ポジションを強調しています。
訴訟の経過
- 2025年提訴: 日保党側は、飯山氏の動画が党のイメージを損ない、個人名誉を傷つけたとして損害賠償(額は非公開だが、類似事件から数百万円規模と推測)を請求。同時期に、百田氏個人が飯山氏を別途提訴(ゴーストライター関連の名誉毀損)しましたが、これも2025年に棄却されています。
- 審理のポイント: 裁判では、飯山氏の発言が「真実性」や「公共の利益」に基づくか、または「侮辱の度合い」が争点。原告側は動画の抜粋を証拠提出しましたが、飯山氏側は「文脈を無視した切り取り」と反論。飯山氏の意見陳述が時間超過で中断されたエピソードも報じられています。
- 2026年1月20日判決: 東京地裁は原告の請求を全面棄却。判決理由の詳細は公開されていないが、飯山氏の発言が「名誉毀損の要件を満たさない」(例: 誰も信用しない程度の表現、または比喩的で事実認定されない)と判断された模様。訴訟費用負担も原告側に課せられ、日保党側は「完敗」との評価が広がっています。
関連する他の訴訟
- 池内恵氏対飯山陽氏: 2025年9月提訴。池内氏(イスラム研究者)が飯山氏の発言を名誉毀損として訴え、2026年1月7日に一部認容(110万円賠償命令)されていますが、残り請求は棄却。
- 有本香氏の過去敗訴: 有本氏は2019年に津田大介氏を中傷し、2023年に最高裁で敗訴確定。「何ら調査せず根拠のない主張」と裁判所から指摘されています。これが日保党側の訴訟戦略の弱さを象徴するとの見方もあります。
分析
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- 日保党の戦略ミス: 日保党は保守層の支持を基盤に急成長しましたが、内部対立を訴訟で封じ込めようとした結果、連敗で党の信頼性が揺らぎました。百田氏の「正論的暴言」を容認する姿勢と、飯山氏批判の矛盾が指摘されており、党の判断基準に疑問符がついています。X(旧Twitter)では、党員や支持者から「スラップ訴訟(言論封じのための恣意的提訴)」との批判が相次ぎ、党のイメージダウンを招いています。
- 飯山氏の強み: 飯山氏は研究者としての専門性を活かし、党批判を「暴露」として発信。判決で勝利したことで「被害者」イメージが強化され、支持者が増加。動画削除の理由を「訴訟リスク回避」と説明し、党側の「証拠捏造」を強調する戦略が功を奏しました。ただし、一部の発言が他の訴訟で一部認容されている点は、言論の慎重さを欠く弱点です。
- 社会・政治的影響: この事件は、保守政党の内部分裂を象徴。日保党の支持率低下(2025年衆院選後の低迷)と、飯山氏のような「反主流派」の台頭を示唆。X上で「2連敗」「完敗TKO」などの嘲笑が広がり、党の結束力が試されています。一方、言論の自由 vs. 名誉権のバランスが議論され、保守層の分断を深める可能性があります。
今後の見込み
- 控訴の可能性: 原告側(有本氏ら)は判決に不服として控訴する公算大。日保党は「党の名誉回復」を理由に継続する可能性が高いですが、連敗続きで費用負担が増大し、党財政や支持離れを招くリスクがあります。飯山氏側は反訴(党からの名誉毀損主張)を検討中との情報もあり、泥沼化する恐れ。
- 日保党の展望: 2026年の選挙(参院選など)で影響必至。内部分裂が続けば、党分裂や百田・有本体制の揺らぎが生じるかも。党は「事実無根の告発」への対抗措置を発表していますが、支持回復には透明性向上が必要。
- 飯山氏の活動: 勝利で勢いづき、YouTubeや書籍での発信を強化。独立系保守論客として地位を固める可能性が高いが、さらなる訴訟リスク(例: 池内氏関連の高裁判決待ち)で慎重な言動が求められます。
- 全体の見通し: 短期的に日保党のダメージが大きいが、保守層の再編を促すかも。訴訟が長期化すれば、両陣営の疲弊を招き、第三勢力の台頭を招く可能性。XなどのSNSでリアルタイム議論が活発化し、世論形成に影響を与えるでしょう。
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