秋から冬にかけて、別に悲しいことがあるわけでもないのに、なぜか心がずっとふさぎ込んだ感じで、その状態が続いてしまう。夜もなかなか眠れない。
もしかしたら、自分は冬季うつ病なのかも?
そう思ったりする人も多いと思います。
そこで、冬季うつ病のチェックリスト、そして冬季うつ対策、治療をまとめてみました。
冬季うつ病チェックリスト
冬季うつ病は、その名の通り、うつ病の一つのタイプではありますが、通常のうつ病とは違う特徴があります。
まず、圧倒的に女性の方が冬季うつ病になりやすいです。女性が75%をしめると言われています。
そして、症状が起こる時期は、秋から冬にかけてです。この季節は長かった夏の日照時間がどんどん短くなり、そして寒くなってきますよね。
一方、春から夏にかけて日照時間が再び多くなり、暖かい日が続いてくると、症状も自然と良くなってくる、という特徴があります。
また、このようなサイクルが、数年にわたって続くこともあります。
その冬季うつ病のチェックリストはこのようになります。幾つか思い当たる節があれば、この病気の可能性が高いですね。
1. ここ数年毎年冬になると、うつっぽい感じになったり、わけもなく落ち込んでしまったりする。
2. 物事への興味がなくなったり、嬉しいとか喜んだりする、という感情にならなくなる。
3. 食欲が減ってきたり、体重が減少したりする。
4. またはその逆で食欲が異常に増えて、体重も急に増加してしまう。
5. なかなか眠れない、または、時間的に十分寝ても眠気が残る。
6. 理由もなく、これでいいのかとい強い焦りを感じる、もしくは、動くことすらも止まってしまう。
7. 原因がはっきりしないのに疲労がたまる、そして気力も低下してしまう。
8. 物事や行動、人生が価値がなく感じてしまう、もしくは、大した理由もなく罪悪感を感じてしまう。
9. 集中力も思考力も通常より低下してしまう。
10. 死、ということについて繰り返し考えてしまう、ついには、自殺することが頭によぎったりしてしまう。
11. 春から夏にかけて自然に気持ちが楽になってくる。
冬季うつの対策と治療について
上のチェックリストで冬季うつ病を疑ったら、まずは最寄りの心療内科、もしくは精神科の外来に行って相談しましょう。
特に、自殺、について考えることが多くなってきた場合、体重の急激な変化があった場合は、速やかに外来に行ってください。
この冬季うつ病への対策、治療としては、主に「光照射療法」が用いられます。
光照射療法とは、2500~3000ルクス程度の照るさの光を、約2時間照射するという治療法です。通常は午前中、朝に行なわれるのが推奨されています。
もしくは、より高い照度、5000~10000ルクスを用いて、30分から1時間の短時間照射を行う、という方法もあります。
この治療によって、ほぼ半数から6割の患者さんの冬季うつ症状が改善する、というのが各報告のまとめです。
この光照射による治療法以外では、一般的なうつ病と同じく、薬物による治療が行われます。
どちらにしても、専門医師による診察と病気の程度の診断が必要となりますので、上のチェックリストで該当する場合は速やかに外来に行ってくださいね。
まとめ
冬季うつ病は、うつ病の一つのタイプですが、女性に多い、そして、秋から冬にかけて発症して春には自然と治る、そしてまた翌年発症する、という傾向があります。治療法としては光照射療法が効果がある場合が多いとされています。チェックリストで冬季うつ病を疑ったら、まずは心療内科医、精神科医の診察を受けましょう。