ニュース概要
2025年10月8日、日本保守党(以下、保守党)は内部分裂の極みに達し、共同代表の河村たかし衆院議員(愛知1区)と竹上裕子衆院議員(比例東海ブロック)が離党届を提出。両者は新会派「減税保守こども」を結成し、保守党の衆院会派を解散させた。これにより、保守党の国会議員は衆院の島田洋一議員(比例近畿ブロック)、参院の百田尚樹代表(比例全国)と北村晴男議員(比例全国)の3人だけとなった(竹上離党前は5人)。河村離党の理由は「党運営の不和」で、百田代表は4月22日の島田事務所での口論(ペットボトル投げや「どつくぞ」発言)を公表し、河村を「震えながら弁解した」と非難。X上では党分裂を「百田の独善」「河村の私利私欲」とする意見が飛び交い、保守党支持者の離反も散見される。この事態は、2025年7月の参院選で北村氏が97万票の個人票を獲得し党勢拡大の兆しが見えた矢先の逆風だ。
ニュースは時事通信やYahoo!ニュースで速報され、Xでは百田氏の投稿が22,000以上のいいねを集め、党の「クリーン化」を歓迎する声(「河村離れて正解」)と「党崩壊」を嘆く声が対立。党公式サイトでは、重点政策(食品消費税ゼロ、伝統文化守護)を維持しつつ、党員募集を継続中。
ニュース解説
離党の経緯と影響
- 分裂の背景: 保守党は2023年結党時、百田尚樹(代表)と有本香(事務総長)を核に、河村の減税日本と「特別友党」関係を結び、河村を共同代表に据えた。しかし、2025年9月に関係解消を通告。河村は「信頼関係の再構築不可能」と主張し、離党。百田側は河村の「私利私欲」(例: 立法事務費65万円/月×2人分確保)を批判。島田議員は離党せず残留したが、無所属扱いとなり、質問時間が制限される可能性大。
- 議員構成の変化:
- 残留組: 島田洋一(衆院、政調会長。選択制夫婦別姓反対で知る)、百田尚樹(参院、経済産業委所属。党の顔)、北村晴男(参院、法務委所属。外国人問題・スパイ防止法で活躍)。
- 離脱組: 河村・竹上(新会派結成。減税・子育て政策中心)。
- 政党要件の危機: 公職選挙法上、政党要件(国会議員5人以上)を維持できず、政党交付金(年数億円規模)が停止の恐れ。参院選後の勢い(比例2議席獲得)が一転、存続基盤が揺らぐ。
選挙実績の振り返り
保守党は2024年衆院選で3議席(河村、竹上、島田)、2025年参院選で2議席(百田、北村)を獲得し、国政政党化。しかし、離党で衆院1議席のみに激減。北村氏の97万票は党の「武器」として期待されたが、内部対立で影が薄れる。
背景と要因
- 百田・河村の対立: 百田の強権的運営(例: 河村への「どつくぞ」発言)と河村の地方基盤重視が衝突。X投稿では「百田の幼稚さ」「河村の金銭優先」が指摘。
- 党の構造的弱さ: 結党2年で党員数10万人超の支持基盤はあるが、河村の減税日本依存が仇に。島田・北村の専門性(憲法・法務)は強みだが、百田のメディア露出頼みが限界。
- 外部環境: 自民党スキャンダルで保守票が流れたが、参政党や国民民主との競合で分散。Xでは「保守党は自民の受け皿になれなかった」との分析。
分析
政治的影響
- 国会力の低下: 議員3人(衆参合計)で会派維持が難しく、委員会所属(北村:法務委、百田:経産委)が制限される可能性。島田の決算監視委活躍が封じられ、党の政策提言(スパイ防止法、夫婦別姓反対)が停滞。Xでは「北村・島田の孤軍奮闘」を期待する声多数。
- 支持層の分裂: コア支持(ネット右派、伝統保守)は百田・北村に残るが、河村支持(減税・地方層)は流出。党員離脱の兆し(Xで「百田引退を」投稿増加)。一方、離党で「クリーン化」イメージ向上のチャンスも。
- 野党再編の波及: 保守票の受け皿として期待されたが、参政党(急伸中)や国民民主との連携拒否が裏目。百田の「独自路線」主張が孤立を招く。
データ比較(議員数推移)
年次 | 総議員数 | 主な議員(残留組中心) | 政党要件 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024衆院選後 | 3(衆) | 河村、竹上、島田 | 未達 | 減税日本連携 |
2025参院選後 | 5(衆参) | +百田、北村 | 達成 | 比例2議席獲得 |
2025年10月離党後 | 3(衆参) | 島田、百田、北村 | 未達 | 会派解散 |
(出典: 選挙ドットコム、Wikipedia、X投稿分析。政党要件は5人以上)
この表から、離党が党の基盤を直撃。北村・島田の個人票力(97万・過去実績)が頼みだが、組織力不足が露呈。
社会的な示唆
保守党の分裂は、右派ポピュリズムの限界を象徴。百田の「戦後80年談話」(2025年8月公表)のような伝統回帰アピールは支持を集めるが、内部統制の甘さが足枷。Xの声から、若年層(20-30代)は北村の法務論戦に魅力を感じる一方、高齢層は河村の減税に流れる二極化が進む。
今後の予想
短期(2025年末-2026年)
- 存続危機: 政党要件喪失で資金難。百田は党大会で「新党設立」示唆(X投稿)し、河村批判をエスカレートさせるが、支持率低下(推定5-7%→3%台)。島田の無所属質問制限で国会露出減、北村の法務委活躍(外国人規制法案提出)が党の「顔」になる。離党ドミノ(有本香の参院進出失敗で党内不満爆発)のリスク高。
- 戦略シフト: 党員募集強化(公式サイトで寄付呼びかけ)とSNS活用で底上げ。Xでは「北村主導の再建」を望む声が増え、百田の代表続投が党分裂の火種に。
長期(2027衆院選以降)
- 衰退シナリオ(確率60%): 議員3人の高齢化(全員60-70代)と資金枯渇で、2027衆院選で全滅の恐れ。島田・百田の落選、北村の単独存続に留まる。参政党の右派吸収で保守党は「過去の党」に。X分析では「百田の品性問題」が支持離れを加速。
- 復活シナリオ(確率40%): 北村・島田の専門性を活かし、自民離反票を拾えば比例復活(議席2-3)。百田引退後、北村代表就任で「真正保守」路線へシフト、支持率10%回復。成功要因は法務・外交での実績(スパイ法成立)と、河村新党との選挙協力拒否回避。
- 全体像: 野党右派の多極化が進み、保守党は「ニッチ政党」化。経済不況深化で伝統保守票が増えれば、北村中心の再編で2028参院選で5議席超も。最終的に、百田のメディア影響力が鍵だが、離党ショックが「反省の契機」になるかが正念場。Xの世論から、党の「一騎当千」3人が結束すれば、日本右派の新勢力として定着の公算あり。
この分析は、選挙データ、Wikipedia、X投稿に基づく。政治の流動性が高い中、保守党の「日本を豊かに強く」のスローガンが試される局面だ。