フィンランドのペッテリ・オルポ首相が2025年12月17日に中国・韓国・日本向け大使館SNSで発表した謝罪声明に対し、中国と韓国の反応は概ね「事実として受け止めつつ、一定の評価をする」形で、日本ほど好意的に収束が進んでいないものの、強い抗議の継続やボイコット運動の拡大は抑えられている状況です(12月18日時点)。首相レベルの迅速な対応が火消しに寄与している一方で、事件の根深さ(右派政党の姿勢)を指摘する声は残っています。
中国側の反応
- メディア報道:Sina、Sohu、Global Times、Tencent Newsなど主要メディアが謝罪を速やかに報じ、「芬兰总理正式向中韩日民众道歉」「种族主义和歧视在芬兰没有立足之地」との首相発言を引用。事件の経緯(ミス・フィンランドの投稿→議員の追随)を詳細に伝えつつ、謝罪を「正式」「誠意ある対応」と位置づける記事が多い。過去の類似事件(欧米セレブのジェスチャー)と比較し、首相の多言語対応を評価するニュアンスも。
- SNS(Weibo/Xなど)の反応:
- 謝罪声明の共有が多く、「中日韓三国に同時に謝罪したのは適切」「人種差別は許されない」との肯定的投稿が目立つ。
- 一部で「日本人が過剰反応している」「本来は中国人向けの侮辱なのに日本が一番怒っている」とのコメント(中国人ユーザーが日本人の反応をからかう形)。
- 強い不満(「不十分」「議員の処分がない」)は少数で、全体的に冷静。観光ボイコット呼びかけは初期にあったが、謝罪後勢いが弱まっている。
- 見通し:中国では国家主義的な文脈で事件を批判しつつ、謝罪で「一応の決着」と見なす傾向が強く、収束方向。ただし、Weiboなどで「欧米の潜在的差別意識」を指摘する議論は続く可能性。
韓国側の反応
- メディア報道:Chosun Ilbo、KyungHyang Shinmun、Nate News、Daumなど主要メディアが広く報道。「핀란드 총리, 미스 핀란드 ‘눈 찢기’ 논란에 한국어로 공식 사과」「인종차별 문제 커지자…한·중·일에 사과」とのタイトルで、韓国語での声明を強調。論争の背景(フィンランド人党の右翼姿勢)を詳しく分析し、「総理の謝罪は評価できるが、論争は続く」との慎重な論調が多い。
- SNS(Xなど)の反応:
- 謝罪声明の共有とニュースリンクが主流。「総理が韓国語で直接謝罪したのは誠意を感じる」「北欧のイメージが損なわれた」との声。
- 一方で「謝罪したが、議員たちの行為は幼稚で根深い問題」「まだ論争が収まっていない」との指摘(動画や記事で「눈 찢기」継続を懸念)。
- 日本や中国ほど大規模炎上はなく、謝罪を「適切」と評価する投稿が多いが、差別意識の根本解決を求める意見も。
- 見通し:韓国では人権・多文化主義に敏感な層が多く、謝罪を好意的に受け止めつつ「表面的」との見方あり。収束は進むが、中国より余波が残りやすい印象。
全体の比較と収束の見通し
- 日本:謝罪の丁寧さ(訪日経験言及)を高評価し、収束が最も進んでいる。
- 中国:比較的冷静で、謝罪を「外交的対応」と受け止め、感情的な抗議は少ない。
- 韓国:謝罪を評価しつつ、事件の政治的背景を批判的に分析する傾向。
- 東アジア全体で、首相の多言語・対象国限定謝罪が効果を発揮し、国際イメージ回復に繋がっている。ただし、フィンランド人党の支持層が「WOKE批判」として事件を擁護する動きがあれば、再燃のリスクあり。フィンエアーなどの経済影響は残る可能性が高いです。
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