日本保守党・百田尚樹氏のSLAPP訴訟敗訴概要

日本保守党代表の百田尚樹氏が起こしたSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation、言論封殺を目的とした戦略的訴訟)と見なされる訴訟で、2025年12月22日に東京地裁で敗訴判決が出ました。被告は元日本保守党衆院議員候補者の飯山陽氏で、百田氏が名誉毀損を主張して損害賠償を請求していましたが、請求が棄却され、訴訟費用も百田氏負担となりました。この事件は、党内の対立が背景にあり、百田氏が弁護士(福永活也氏)の助言で提訴したとされる点が注目されています。以下に詳細と問題点をまとめます。

事件の背景

  • 発端: 飯山陽氏が、百田氏の小説執筆について「ゴーストライターの噂を聞いた」という趣旨の発言をネット上で行いました。これを百田氏が名誉毀損として問題視。飯山氏は日本保守党の元メンバーですが、党運営や政策を巡る対立で離脱し、批判を続けていました。百田氏はこれを封じる目的で提訴したと批判されています。
  • 訴訟の経緯: 2025年3月頃に提訴(令和7年ワ略103号)。第一回弁論は5月26日、最終弁論は10月20日。百田氏は福永活也弁護士を代理人に立て、名誉毀損および名誉感情侵害を主張。福永氏はYouTubeで「名誉棄損罪を構成し得る」との見解を述べ、提訴を後押しした形です。 14 16 17
  • 関連する他の訴訟: 百田氏は過去に津田大介氏に対する名誉毀損訴訟で敗訴(2023年12月控訴棄却、賠償額増額)。また、近藤倫子氏やドワンゴ川上量生氏に対しても同様の訴訟を提起しており、「10件のSLAPP訴訟のうちの1件」との指摘があります。これらは党のイメージを損なう「スラップ訴訟政党」との批判を招いています。 9 1

敗訴の詳細

  • 判決日: 2025年12月22日、東京地裁民事42部(103号法廷)。
  • 判決内容: 「原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担。」これは百田氏の主張が全面的に退けられたことを意味し、完全敗訴です。傍聴券が配布され、希望者が多かった点から注目度の高さがうかがえます。 5 19 10 12
  • 裁判所の判断: 飯山氏の発言が名誉毀損に当たらないと認定。ゴーストライターの噂は「事実の摘示」ではなく、意見や推測の域で、社会的評価の低下が証明されなかった可能性が高い。名誉毀損の成立には事実の証明や公的利益の検討が必要ですが、これが不足したと見られます。 20 17
  • 影響: 百田氏の支持者からは「棄却は敗訴ではない」「精神的勝利」との声もありますが、ネット上では「完全敗訴」「負け惜しみ」との反応が多数。党の信頼低下や、飯山氏のカンパ集め(寄付)関連の別問題も浮上しています。 19 15

弁護士に勧められて裁判したことの問題点

百田氏が福永弁護士の勧めで提訴したとされる点は、SLAPPの典型例として複数の問題を抱えています。弁護士の役割は依頼者の利益を守ることですが、以下のような批判が指摘されます。

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  1. SLAPPの濫用と倫理的問題:
  • SLAPPは勝敗より相手の時間・費用・精神的負担を狙うため、弁護士が勝算薄い提訴を勧めるのは日本弁護士連合会(日弁連)の倫理規定(弁護士職務基本規程第5条: 依頼者の利益最優先)に反する可能性。福永氏はYouTubeで積極的に解説し、提訴を促すような発信をしていますが、これが「嫌がらせ目的の訴訟」を助長すると批判されています。 16 18 3
  • 百田氏の場合、党代表として公人であり、批判耐性が高いはずなのに、内部批判者を封じる訴訟は「民主主義の抑圧」と見なされ、政治的イメージを損ないます。米国ではSLAPP防止法が存在しますが、日本では法整備が不十分で、こうした訴訟が増加傾向です。 3 8
  1. 勝算の見誤りと経済的リスク:
  • 弁護士が「名誉棄損成立」と過度に楽観視して勧めると、敗訴時の費用負担(印紙代、弁護士報酬など)が依頼者にのしかかります。このケースでは百田氏が全額負担。過去の津田大介訴訟でも敗訴し、賠償増額された前例があり、繰り返しのリスクを無視した勧めの責任が問われます。 9 19
  • 福永氏の解説動画では、名誉毀損と侮辱の分類を強調しますが、判例では「事実なしの意見」は成立しにくく、ハードルが高い。こうした法的誤認が問題視されます。 20
  1. 社会的・政治的影響:
  • 政治家が弁護士の勧めでSLAPPを乱発すると、言論の自由を脅かし、党の支持離れを招きます。ネット反応では「恥を晒した」「福永弁護士と組んだのが間違い」との声が多く、党の信頼低下につながっています。 0 1 6
  • 弁護士のビジネスモデル(YouTube収益化、複数訴訟受任)も疑われ、「金儲けのための勧め」との指摘。日弁連はこうした行為を監視すべきですが、現状放置されています。

この敗訴は、百田氏の訴訟戦略の失敗を象徴し、SLAPPの抑止に向けた法改正議論を促す可能性があります。弁護士の勧めの是非は個別事情によるものの、依頼者は事前にセカンドオピニオンを検討すべきです。追加質問があればお知らせください。

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