百田尚樹氏の「ゴーストライター」名誉毀損訴訟事例詳細
日本保守党代表の百田尚樹氏が、元党所属のイスラム思想研究者・飯山陽氏を名誉毀損で提訴した訴訟(通称:ゴーストライター訴訟)で、2025年12月22日、東京地方裁判所が百田氏の請求を全面棄却する判決を下しました。百田氏の完全敗訴となり、訴訟費用も百田氏負担です。この事例は、SLAPP(言論封殺目的の戦略的訴訟)と批判される典型例として注目されています。
事件の背景
- 発端の発言: 飯山陽氏が自身のYouTube配信やSNSで、「百田尚樹氏の小説にゴーストライターがいるという噂を聞いた」と述べたこと。これを百田氏が名誉毀損と主張。
- 両者の関係: 飯山氏は2024年の衆院東京15区補選で日本保守党から出馬要請を受け候補者となったが、党運営や政策を巡る対立で離脱。以降、党批判を続け、百田氏側からも激しい中傷(例: 「頭のおかしな女」「怨念系」など)が続いていた。
- 提訴時期: 2025年春頃(第一回口頭弁論は5月26日)。百田氏側は当初220万円の損害賠償と謝罪広告を請求。
- 代理人弁護士: 百田氏側は福永活也弁護士(YouTuberとしても活動)。福永氏は事前にYouTubeで「名誉毀損が成立する可能性が高い」と解説し、提訴を後押しした形。
訴訟の経緯
- 事件番号: 令和7年(ワ)第103号(東京地裁民事42部)。
- 主な期日:
- 第一回弁論: 2025年5月26日(傍聴希望者多数)。
- 最終弁論: 2025年10月20日。
- 判決: 2025年12月22日(103号法廷、傍聴券配布)。
- 裁判所の判断要点(判決文・報道に基づく):
- 飯山氏の発言は「聞いた噂」という意見・推測の域で、事実の断定的摘示ではない。
- 名誉毀損の成立要件(社会的評価の低下)を満たさない。
- 公共性や真実相当性も考慮され、請求棄却。
- 事実及び理由の詳細は判決言渡しで省略されたが、飯山氏がnoteで判決文を公開。
判決後の反応
- 飯山陽氏: 「全面勝訴」と宣言。noteで判決文を公開し、ライブ配信で解説。
- 百田氏・支持者側: 福永弁護士がYouTubeで不服を述べ、控訴検討を表明。一部支持者は「精神的勝利」と主張するが、ネット上では「完全敗訴」「負け惜しみ」との声多数。
- 社会的影響: 日本保守党は飯山氏関連だけで複数訴訟(総額数千万円規模)を提起しており、「SLAPP政党」との批判が強まる。党のイメージ低下を招いている。
この事例の問題点(SLAPP観点)
- 言論封殺の意図: 勝訴より、相手の時間・費用・精神的負担を狙ったと指摘。党代表(公人)が内部批判者を訴えるのは、表現の自由を脅かす。
- 弁護士の役割: 福永弁護士の積極的な提訴勧奨とYouTube発信が、倫理的問題(依頼者利益最優先か?)として議論に。
- 繰り返しの訴訟: 百田氏は過去にも津田大介氏(2019-2023年、敗訴・賠償増額)など複数敗訴歴あり。勝算薄い提訴の乱発が批判される。
この判決は、SLAPP抑止に向けた議論を促す可能性があります。百田氏側が控訴すれば上級審で争われるでしょう。詳細な判決文は飯山氏のnoteで確認可能です。追加の質問があればどうぞ!
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