東映フライヤーズ時代の最強の相棒であった「怪童」尾崎行雄投手との絆と、巨人に移籍した際の長嶋茂雄監督とのユーモア溢れる爆笑のやり取りをご紹介します。
⚾ 1. 「怪童」尾崎行雄とのエピソード:10代で球界を震撼させた天才との絆
尾崎行雄さんは、浪商高校(現・大体大浪商)を中退して17歳で東映に入団し、地を這うような剛速球で瞬く間にエースとなった伝説の右腕です。若き日の張本さんとは、まさに東映の「投打の怪物コンビ」でした。
- 「尾崎、お前が投げたら1点取れば勝てる」
尾崎投手のストレートは、当時「日本プロ野球史上最速」とも言われ、打者が分かっていてものけぞるか空振りするほどの威力でした。張本さんは後年、「尾崎が全盛期の頃は、バッター陣の間で『あいつが投げる日は1点取れば勝ちだな』と本気で話していた。それくらい打たれる気がしなかった」と語っています。 - 怪童のピンチを救った、張本さんの「睨み」
ある試合で、まだ10代の尾崎投手が相手チームのベテラン打者に激しく野ジリされ、マウンドで動揺してしまったことがありました。それに気づいたベンチの張本さんは、即座に相手ベンチの前に歩み寄り、凄まじい眼力で「うちの若いのに文句あるんか。文句あるなら俺が相手するぞ」と一喝。相手チームは一瞬で静まり返り、尾崎投手はのびのびと三振を奪い続けました。尾崎さんは生涯、張本さんを「最高に頼りになる兄貴」と慕い続けました。
🤣 2. 長嶋茂雄監督とのエピソード:超天才同士の噛み合わない爆笑のやり取り
1976年、張本さんが巨人に移籍した際、迎えたのは「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄監督でした。熱血漢の長嶋監督と、一匹狼だった張本さんのコンビは、数々の笑える逸話を生み出しました。
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- 「ハリ、そこをドーンと、ビューッと打ってくれ!」
長嶋監督といえば、擬音ばかりの独特なバッティング指導で有名です。ある日、打撃不振に悩む張本さんに長嶋監督が近づき、「ハリ、いいか。バットをこう、スーッと引いて、ドーンと、ビューッと振るんだよ!」と身振り手振りで熱血指導しました。
理論派の張本さんは内心(何言ってるかさっぱり分からん……)と思いながらも、大先輩のミスターなので「はい!分かりました!」と返事。その後、本当にホームランを放つと、長嶋監督はベンチで「ほら見ろ!俺の言った通りスーッと引いてドーンだ!」と大喜び。張本さんは苦笑いするしかなかったそうです。 - ネクストバッターズサークルでの「王貞治への愚痴」
ある試合で、前の打者である王貞治さんがフォアボールで歩かされ、長嶋監督はベンチから「ハリ、頼むぞ!」と大声を送りました。しかし、張本さんがバットを持って打席に向かおうとすると、長嶋監督がボソッと「それにしてもワンちゃん(王さん)、あそこでフォアボール選ぶかね。ファンはホームランが見たいのにさぁ」と、次の打者である張本さんに愚痴をこぼしたそうです。張本さんは「これから打席に向かう俺に、そんなリラックスさせるような愚痴を言わないでくださいよ!」と、心の中で大爆笑したと語っています。
荒くれ者の中にあった熱い友情と、レジェンド同士だからこそ生まれるお茶目な空気感は、昭和のプロ野球の黄金期を象徴する素晴らしい一幕です。
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