福田財務次官が週刊新潮のゴシップ記事を原因として退職しました。
そして、その元となったセクハラ疑惑に関して、その被害者がテレビ朝日の女性記者と判明しました。
なぜ、テレビ朝日社員のセクハラを週刊新潮が取り上げたのでしょうか?
テレビ朝日の記者会見を元に、その理由をまとめました。
テレビ朝日の女性社員が財務次官のセクハラ被害にあう
テレビ朝日は記者会見で、女性社員が週刊新潮に録音内容の一部を提供したと明らかにし、取材活動で得た情報を第三者に渡したことは報道機関として不適切な行為であり、遺憾とした。
https://this.kiji.is/359357662149968993?c=39550187727945729
テレビ朝日は「女性社員は、上司にセクハラの事実を報じることを相談したが、上司は『難しい』と伝えた。適切に対応ができなかったことを、深く反省している」とした。
https://this.kiji.is/359357662149968993?c=39550187727945729
共同通信の上の二つの短い記事は一体何を意味しているのでしょうか?
そこで、テレビ朝日での、女性社員に対するセクハラ被害についての緊急記者会見 からその理由を探りました。
テレビ朝日の女性社員がセクハラ被害に関する記者会見
この緊急会見の要約は以下の通りとなります。
まず、テレビ朝日社員が取材で得た情報を第三者である週間新潮に提供したたことに関して、大変遺憾なことであり、不適切である、との見解を示した。
この女性社員は今年4月4日に福田財務次官と会食、その際、秘密裏に録音をした。
さらに、録音はこの日だけでなく、数回にわたっている。
最初に女性社員が録音したのは今回が初めてではなく、1年半前から開始していることも判明した。
それだけ音声のデータがあってなぜ新潮での発表となったのでしょうか?
テレビ朝日の女性社員の上司が揉み消し
テレビ朝日の報道局長が、この録音した音声を確認していることも会見で明らかになった。
この女性社員はセクハラの証拠として財務次官との会話を無断で録音し、それを上司に報告した。 彼女はこのセクハラ被害を報道してほしいと上司に談判したが、「個人特定の恐れ」という理由をつけて、上司の決断でその案は採用されず、この音声データは使われなかった。
言うまでもなく、その音声が出たら個人が特定されるのはわかっており、本人も当然把握しているはずなので、非常に奇妙な理由である。
その後この女性社員は、このニュースを世に出したい一心で、テレビ朝日に報告もせず、週間新潮に持ち込んだ、というのが今回の顛末です。
この女性社員本人から4月16日に、新潮の記事は自分のことである、とテレビ朝日社に報告しました。
当然ながら、女性社員から相談を受けていた上司はこの件について把握していたものの、ずっとそれまで沈黙していました。
これは、保身という以外ないでしょう。
また、今回の会見は、この女性社員本人の希望に従ってのものであることも明らかにしています。
テレビ朝日の財務省への抗議
テレビ朝日は財務省に対し、社員のセクハラに関する抗議をする予定であることを明らかにしたが、実際抗議した形跡は今の所ありません。
また、今後本気で抗議するかどうかも不明です。
抗議するより、自社の問題をなんとかするのが先でしょう。
今回の問題点
今回の財務次官セクハラ騒動は、事務次官のセクハラ発言は非難されるとしても、テレビ朝日のこの女性社員の上司が、福田財務次官の自社の社員へのセクハラの実態を完全に把握していたにもかかわらず、適切な対応をせず、そのまま担当を変更せず次官に対応させた、というテレビ朝日の重大なパワーハラスメントの問題が明らかになった一件と捉えられます。
今後、福田財務次官は辞任しましたが、テレビ朝日のこれまでの報道のあり方が強く批判されるのは間違いないでしょう。
まとめ
テレビ朝日の女性社員がセクハラ被害にあうもなぜか週刊新潮で発表されました。その理由が今回の緊急記者会見で明らかになりました。彼女の上司が揉み消して担当も変えずにそのまま財務次官による自社社員へのセクハラの実態を放置していました。
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