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読書感想

伊坂幸太郎作「砂漠」の舞台と登場人物、内容と感想

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伊坂幸太郎氏の本は好きで何冊か読んでいました。
本日、長編小説「砂漠」を読み終えました。
その読後感想文をまとめます。
作品に関するネタバレが途中からありますので、これから読む人は注意してください。

伊坂幸太郎作、砂漠について

伊坂幸太郎氏
伊坂 幸太郎(いさか こうたろう、1971年5月25日 – )、日本の小説家。現在47歳。
千葉県松戸市出身。学歴は、東北大学法学部を卒業。
東北大学卒業後、システムエンジニアとして働くかたわらで、小説を執筆、文学賞に応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューした。
その数年後に作家専業となり現在に至る。宮城県仙台市在住です。

この「砂漠」は、2005年12月の作品で、2017年10月に文庫本が実業之日本社文庫から発売され、私はそれを読みました。

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伊坂幸太郎作、砂漠の舞台と登場人物について

この伊坂幸太郎作品、砂漠、の舞台は、伊坂氏が実際に通った東北大学、そして仙台が舞台になっています。
あとがきでも書かれていますが、彼の大学時代の生活、麻雀とボーリングを楽しんだ生活がこの作品でもみられます。

登場人物は
この作品の主人公である、北村
冷めた性格で、最初の方で、鳥井から周囲を見下しがちの「鳥瞰型」であると指摘され、本人もそれを肯定する。
鳥井
初めから軽薄で女好きで合コンなど頑張っていたが、途中からこの作品で大きな役割を果たす。
西嶋
いわゆる、変人、議論好き。極端で奇妙な正義感と学生らしからぬ独特な言い回しをする。この作品のキーパーソン。
東堂
大学一の美女。クール。冷めた性格、この作品に光を与える存在。

明るくてシャイな女の子。超能力を持つ。現実離れした力で作品を彩る。

見ての通り、東西南北、そして鳥、と揃って、これらは麻雀と関係する名前であることは明らか。
そして、彼らの東北大学入学から、大学での小さな大きな事件、ストーリ=がこの長編の柱。

他の登場人物としては、鳩麦というアパレル店員が登場、すぐ大切な人となります。

伊坂幸太郎作、砂漠の内容と感想について

ネタバレ注意です。

東北大学で出会った5人の男女が、様々な出来事を通じて、お互いの友情、絆を深めていく作品です。
彼らの日常や些細なことから、大きな事件での悩み、苦しみ、成長、そして、決断、これらが、爽快な青春小説として、伊坂氏の作品としては支持を集めている、と本人があとがきで書いていました。

私は正直、読み終わるのに時間がかかりました。どの登場人物にも入り込めなかった、そして、重い事件が発生した、というのもあります。
さらに、それぞれの登場人物の現実感のなさ、というのも青春小説としてはどうなのか、とも思いましたが、その分、ハラハラ、するシーンは多かったですね。なぜそう、やばい方向に行く?という感じで。

最初では、ボーリングでの鳥井の失敗、それを西嶋が奇跡的なリカバーでことなきを得ました。
鳥井はこの小説で大きく挫折しそして成長します。これが小説だから納得できる、そんな失敗と最後の爽快さがありました。
そして、主人公は、中途半端なまま進んで周りに巻き込まれてそして、友情だけを確認して卒業したという感じです。
女性、東堂は鼻につく何かがあり、その分南は献身的でした。東堂のクリスマスイブはまさに予定調和すぎという感じはあります。
まあ、みんながその日を待ってたわけですが。

そしてこの小説が人々をセンチメンタルにさせるのは、ラストの卒業式ですね。

大学を出て、現実の社会、すなわち砂漠に放り投げられたそれぞれが、再び友情を分かち合う日々が来るのか?遠距離となる彼女と果たして予定通りに結ばれるのか?

社会人ならもうわかっています。大学時代の友達と、今自分の関係を考えたら、彼らにも同じことが起こることを。
そして、モラトリアムであった、大学生活は、社会に出る前の最後のある意味、生暖かい世界です。
その時代への懐かしさ、しかし、現実社会で、私たちは、働き、お金を稼ぎ、日々の生活を送らねばなりません。

私にとってはこの砂漠は読むのに時間がかかった伊坂氏の長編小説、青春小説、という位置付けです。皆さんにとってはいかがでしょうか?

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