学生アメフトチャンピオンと社会人アメフトチャンピオンとが対戦する伝統のライスボウルが毎年1月3日に開催されます。
今年は関西学院大学対富士通でした。
ライスボウル2019結果と今後の問題点、これまでの歴史についてまとめました。
ライスボウル2019富士通が関学大を下して勝利
アメリカンフットボール日本選手権「ライスボウル」(3日、関学大17-52富士通、東京ドーム)
学生王者の関学大は社会人王者の富士通に17-52で敗れました。
第1クオーター前半は互角の勝負でした。
富士通は試合開始から3度の攻撃シリーズで得点できませんでした。
しかし、エースRBラショーン・ニクソン(26)選手が4度目の攻撃で6度のラン、そして、最後は3ヤードランで、第1クオーター終盤に先制TD。その後、富士通石井選手のインターセプトタッチダウンで富士通が追加点で試合の方向が決まりました。
前半を24-10とリードした富士通が、後半は攻守に実力差を見せました。
攻撃では4TDを後半に加え、その後点差は開く一方で、第4クオーターには富士通は控えQBの高木選手平本選手を起用する、という試合運びとなりました。
守備は試合終了間際の1TDに抑えました。
52-17の快勝で、富士通は3年連続で歴代2位タイの4度目の優勝を飾りました。
これで社会人が10連勝となり、通算の対戦成績は社会人の24勝12敗となりました。
MVPはランで計206ヤードを獲得したニクソン選手でした。
ライスボウルの今後の課題点
関学大は2年ぶりのライスボウルに挑んだが、17-52と戦前の予想通りとなりました。ライスボウル歴代3位の206ヤードを走られる完敗となりました。
試合後、鳥内監督は
「これだけ差が開くならしんどい。フットボールになってない」
とコメントしました。
外国人選手を中心とした富士通の攻撃陣に守備陣は崩壊。なかでもRBニクソンの186センチ、106キロの体格の前にタックルはことごとくはじかれた。
鳥内監督は
「戦術、戦略の問題とはちゃう。みてる人もおもしろくないんちゃうかな」
と、すでに体格差で試合前からすでにマッチングとして成立していなかったことを再度確認した形です。
近年は社会人チームが身体能力の高い外国人選手を加えるなど戦力アップを図っており、実力差が拡大しています。
一方学生側は、18歳からのまだ伸び盛りの若者が多くチームにいます。
さらに鳥内監督は
「能力的に相手富士通は日本人のオールスターチーム。その上に外国人までいる。次元が違いすぎるし、こんなんやっとったらファンが減るで」
と現行方式への疑問を公にしております。
今後もライスボウルを現在の形、社会人チャンピオンと学生チャンピオンの形式で続けることは、日本一決定戦としてはすでに意味がなくなっております。
さらに、コンタクトスポーツであるアメリカンフットボールでの、明らかなチームの体格差は、選手の安全を守るという意味においても、すでに真剣勝負としてはするべきではない、という状況となりました。
この事態を今年早々にアメフト連盟も真剣に議論すべきです。
ライスボウルの歴史
ライスボウルは1948年に関東と関西の大学選抜の試合として始まり、84年の第37回大会から現在の社会人王者と学生王者の対戦という形式で行われるようになりました。
通算成績は学生の12勝24敗ですが、最近10年間は社会人が勝利しており、特にここ数年は社会人チームが外国人選手の補強などによって一方的な試合が続いています。
関学大の小野ディレクターも
「大学生と社会人の対戦は歴史的な使命を終えた。けがのリスクが高い」
とコメントしております。
今までのライスボウルの歴史は素晴らしいものですが、この社会人10連勝で、日本アメフト協会はライスボウルの存続を前提に、適正な方式を議論するべきでしょう。
まとめ
平成31年1月3日(木曜)15:00に、アメフトのシーズン最後の試合、ライスボウルが開催されました。
結果は52対17の大差のワンサイドゲームで関学大を富士通が撃破しました。
これで社会人が10連勝。若い選手の安全性も考慮して、ライスボウルのあり方が変更される分岐点となる試合となりました。