大学入試センター試験は2019年度で廃止され、翌年から新たに「大学入学共通テスト」が創設されることが決まっております。
これは、1989年に大学入試センター試験が導入されてから、30年ぶりの大きな改革です。
大学入学センター試験が廃止される理由について、そして、2021年から導入されるこの入学共通テストの目的と実施要項についてまとめました。
大学入学センター試験は廃止される理由とは?
大学入学センター試験による大学入試は、1点刻みで合否を争う知識偏重入試になっています。
また、推薦・AO入試の一部は、逆に、事実上学力不問の選抜入試となってしまった、という現実があります。
このため
1) 大学入試で合格することだけが目的となってしまい、本来高校で養うはずの力を育てることが現在では軽視されている。
2) 大学入試の結果で評価される能力と、大学が本来測りたいと考えている能力に隔たりが生じてしまっている。
よって、入試の内容と大学入学後の学習の関連が薄くなっている。
という問題が現在のシステムでは解決できません。
よって、大幅な改革が必要とされました。これが廃止の理由です。
大学入学共通テストの目的は?
大学入学共通テストは入試と高校、大学の教育を一体で変える「高大接続改革」の柱となる改革です。
政府の教育再生実行会議、中央教育審議会などで約5年にわたり議論を重ねてきました。
大学入学共通テストは、日本での大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、そして、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とします。
現在のセンター試験は全問がマーク式ですが、記述式問題も導入することによってこの目的が達成されると考えているようです。
各教科・科目の特質に応じて、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行います。
大学入学共通テストの実施要項は?
今回の大学入学共通テストの導入は、大学入試では1989年度のセンター試験開始以来、約30年ぶりの大きな改革となります。
2021年1月に初回が実施されます。英語以外は大学入試センターが作問する予定です。
実施主体について
共通テストは利用大学が共同して実施する性格のものです。
それを前提として、大学入試 センターが問題の作成、採点その他を一括して行うこととなります。
実施開始年度について
平成32年度から開始されます。(平成33年度入学者選抜)
※ 次期学習指導要領に基づくテストとして実施することとなる平成36年度以降の 方針については、平成33年度を目途に策定・公表予定となっております。
実施要項について
文部科学省は国語と数学に記述式問題3問を導入する方針です。
英語に関しては4年の移行期間を経て共通テストでの実施を取りやめる予定です。その後の24年度からは、国が認定した民間の検定・資格試験に移行するして一本化する方針としております。この民間の試験とは、英検やTOEICなどが候補としてあげられています。
この改革によって、現在の試験の知識偏重から脱し、思考力や表現力を測る入試としたい、という考えです。
まとめ
大学入学センター試験が廃止される理由と、2021年から導入される入学共通テストの目的と実施要項についてまとめました。
現在中学3年生の学年が初年度にこの試験を受けることになります。
また、英語に関しては民間への委託が検討されています。