最近、トルコリラが暴落していると言うニュースを耳にします。その原因としてアメリカの制裁があるとされていますが、それ以外の要素も指摘されています。
トルコとアメリカの関係悪化に関して、トルコリラ暴落とアメリカ、そしてリラの動きと下落要因、経済の見込みとさらに底打ち判断についてまとめました。
トルコリラ暴落について
トルコリラの下落が発生しました。
これは日本の投資家の関心の高い高金利通貨の代表格の1つであり、実際、投資家で大金を失ったと言う話もネットで耳にします。
トルコリラは前週末の8月10日、対米ドルや対円で前日比一時20%以上も下落しました。
さらに、8月13日に入っても過去最安値を更新しました。
また、対円相場でも、1トルコリラ=15円台まで急落する場面がありました。
トルコリラの8月14日の動きですが、16.0円から 17.1円に上昇しました。これが一時的なものかどうかは全く不透明です。
トルコリラ下落の要因はアメリカ?
トルコリラ下落の要因は以下のものがあります。
トルコとアメリカとの対立
2016年にトルコでクーデター未遂事件が発生しました。そして、トルコはこのクーデター事件に関係したとする米国人牧師ブランソン氏を拘束しています。
トランプ大統領はトルコへの制裁を発表、トルコ2閣僚の資産凍結と、トルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムの関税引上げを発表しました。
8月13日、米ホワイトハウスでトランプ大統領補佐官とトルコ大使がブランソン牧師などの件で会談したとの情報です。 アメリカ側はブランソン牧師が解放されない状況では、一切の他の交渉に応じる気がないとトルコ側に強行姿勢を見せた、と言う話です。
この、トルコとアメリカの対立は、トルコリラの下落、そしてトルコ経済にさらなる不安要素と悪影響を与え、そしてさらにリラが売られると言う悪循環に陥っています。
そして、このトルコリラ急落の影響で、8月13日の株式市場で日本株を含めたアジア各国・地域の株価が軒並み下落すると言う事態となりました。
ここで、リラの下落要因は、このアメリカとの問題だけではありません。
トルコ大統領、政策金利の引き上げに否定的
トルコのエルドアン大統領は8月12日、トルコリラの政策金利の引き上げを否定しました。
本来、各国中央銀行は、通貨価値と物価を安定させるため、政策金利を引き上げるのが情動ですが、この大統領はこれを今の所、するつもりがない、との立場を示してしまいました。
これによってさらにリラが売られ、下落しました。政策ミスと言えるでしょう。
トルコ経済の今後の見込み
トルコの実質経済力は低くないと言われております。なのでどこかが底となってまた浮上すると一般的には信じられています。
一方、トルコ債券がデフォルトの危険があると言う意見もあります。
その理由としては、トルコ企業と金融機関はユーロ圏とアメリカからの借入が多く、このままリラが下がった状況では、海外への返済額にさらにこの下落率分の負債金額が増加されます。これによってトルコ経済は大きなダメージを受け続けます。
すでに、ECB(欧州中央銀行)は、スペイン・イタリア・フランスの金融機関に、トルコの変動リスクへの警戒感を表明しております。
そしてこれによってさらにリラが下がると言う負のスパイラルとなっています。
そして、ドイツのメルケル首相ら欧州首脳の懸念が高まっていることも表明されています。
トルコリラの「底打ち判断」のポイントは?
では、トルコリラはどこまで下落するのでしょうか?どの段階で、底打ちを判断することができるでしょうか?
これは上の要因がいくつか好転しないと不可能です。
もっとも重要なのが、牧師の解放による、アメリカとトルコの関係の改善です。
これは政治的判断なので、可能と思われます。
そして、IMFによるトルコへの支援情報があれば明るい材料です。
また、トルコ独特の大きな問題としてエルドアン大統領が強大な権力を持ち、トルコ中央銀行の政策決定をも左右していることがあります。
彼がこの強権政治を改める可能性はまずないです。
以上の判断材料をこまめにチェックして、このトルコリラ投資を判断する必要があります。
ここが底、と言うのはまさに読めないし、非常にリスクが高い投資になることは間違いありません。
まとめ
トルコリラ暴落とアメリカ、リラの動きと下落要因についてまとめました。
この下落の底打ち判断についてその要素をあげましたが、非常にリスクが高い投資となります。
参照
<関連情報>
トルコリラ暴落とトルコとアメリカの関係悪化。経済の影響は?