中高年になった男性、仕事も家庭もほどほどに順調に行ってきた。そんなある日、気がついたら、どうも日々、体がだるい、気分がすぐれない、やる気が全然出ない、食欲も落ちてきた、など精神的な不調と体調の変化を感じるようになってきた。
そのような日々を送っているあなた、軽い鬱の症状かもと思っているかもしれませんが、それはもしかしたら、男性の更年期障害かもしれませんよ。
男性の更年期障害はあまり世間で知られていないため、周りの同僚や家族から「さぼっているのでは」「やる気がないのか」などと評価されてしまい、そのことでさらに辛い思いを抱えている方が多くいます。
そこで、男性の更年期障害について、その症状や原因、発症年齢や対策についてまとめました。
男性更年期障害の症状は?
男性の更年期障害は、以下のような症状が出てきます。
◆精神や心理状態における症状
1、神経症による症状(以前はノイローゼと呼ばれていました)
過度に神経質になったり、くよくよする。簡単に興奮する、眠りが浅い、など。
2、うつの症状
朝起きた時の無気力感、仕事をするのが億劫に思ったり、生きてても仕方ないと思ったりする。憂うつな状態が続く。 食欲が振るわない。など。
◆身体の症状
骨・関節の痛み、肩凝りや筋肉の疲れ、手足のしびれなどの関連症状、動悸、異常な発汗、のぼせまたは冷え性、顔面のほてり、睡眠が続かないなどの障害、頭痛、記憶力と集中力の低下、肉体的な過度な消耗感など。
男性更年期障害の理由は?
この病気の理由としては、ホルモンのバランスが崩れることによって起こっているとされています。例えば、男性ホルモン、テストステロンの減少によるものなどがあげられます。
男性の更年期障害のそれらのホルモンバランスの崩れは、加齢や社会的な要因による日常のストレスによって起こるとされています。
また、うつ病との見分けが難しく、放置しておくとうつ病が進行してしまう可能性もあるので、専門の医師による問診と検査、診断が重要になります。
男性の更年期障害への対策とは
このように。更年期障害とは、実は女性特有の病気というわけではありません。そして、働き盛りの男性、すなわち、早い人では30歳代後半から起こる可能性もありますが、通常は40代後半から50歳代に起こる病気です。
ところで、男性の更年期障害は最近ではより多くの人に認知されるようになってきましたが、そのきっかけの一つとして、人気漫画家の故はらたいら氏が、自分の著書で男の更年期障害についての経験を公表したことがあげられます。はら氏は49歳頃から症状が出始めたとのことです。
対策ですが、まずは、できることからやっていきましょう。
日々の生活のリズムはホルモンバランスには大切です。不規則な生活を極力避けて、早寝早起き、もちろん、適度な運動、無理のないウオーキングや水泳などの有酸素呼吸運動はオススメですね。適度の疲れで睡眠も良くなります。
そして、食生活ですが、暴飲暴食は避ける、極端な体重変化を避ける、ということを心がけましょう。特に、肥満は更年期障害との関係が指摘されていますので適切なカロリーコントロールも必要ですね。
男性の更年期障害に対して予防する効果が期待される食材としては、亜鉛を多く含むシジミや、ホルモン生成に関与しているビタミンEを多く含む鮭やマグロの魚介類、野菜としてはカボチャやアボカド、そして抗酸化作用によいビタミンCを含む野菜やフルーツなどを積極的にとっていきましょう。
この病気には、カウンセリングが有効な場合もあります。例えばボランティア活動などに積極的に取り組むことによって、社会と自分との関係性が好転し、自分への自信などを取り戻すことで症状が好転する人もいます。
ただ、更年期障害の症状が強いもしくは悪化してきた場合は、専門の医師の診察を受けることが必要です。場合によっては投薬による治療が必要となる場合もあります。そして、医師による状態の適切な評価と管理が必要です。
ところで、更年期障害の各症状を漢方薬が緩和させる効果を持つとされています。例えば、補中益気湯や牛車腎気丸はよく使われている漢方薬です。
まとめ
男性の更年期障害は、症状は心理的、身体的な症状などと多岐にわたります。早い人では30歳代後半からも症状が起こりますが、通常は50歳代です。対策については、規則正しいライフスタイルと適切な食生活やカウンセリングなどが考えれられます。症状が強い場合は、専門の医師による適切な管理と、正しい処方が必要です。