2015年はヨーロッパにとっては、ドイツのメルケル大統領の政策で大量の移民がヨーロッパに流入した年です。
この大量移民の問題は、ドイツのみならず、それぞれの国で様々な問題となっております。スウェーデンも大量の難民を受け入れる事態となりました。
そして、2018年、スウェーデンでは国政選挙があります。
この選挙には難民移民問題が争点の一つとされています。
そこで、スウェーデンの選挙と難民移民問題について、難民移民問題と極右勢力の躍進はどうなのかまとめました。
スウェーデンの選挙2018について
スウェーデンでは4年に一回、国政選挙と、市、県の選挙が同日一斉に行われます。
そして、2018年9月9日がその選挙の日となっております。
現在、スウェーデンの選挙は非常に注目されています。
それは、これまでのスウェーデンの政策、移民や難民へ寛容だった政策に対して、国民がどう審判を下すのか、という問題、そして、欧州で初めてのポピュリスト政党が第1党になるのか、さらに政権入りするのか、という問題です。
スウェーデンの難民移民問題について
スウェーデンは北欧の人口約1000万人の国です。イケアやボルボなど、そして、高福祉で高負担の成功している国として日本で知られています。
この国は以前から、移民や難民には寛容な政策をとってきました。例えば、労働者としてフィンランドや東欧からの人の移動が昔はあり、その後、チリの政治的な難民を受け入れ、さらに、ソマリアやアフガニスタン、中東シリアなどからの難民を人口あたりにしたら大量に受け入れてきました。
現在のスウェーデンの移民の人口に占める割合は、2010のデータでもスウェーデンの中で外国生まれの人は 130 万人であり、人口の約 14%に達しておりました。その後さらに増えて20%を超えているとされています。
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その後の2015年のヨーロッパへの難民流入で、ドイツだけでなく難民はさらに北上、デンマークを通過して多くの難民がスウェーデンで申請をしました。
その数は、当初の予想を上回回っており、それら大量の難民への対応は、移民局の許容量をはるかに超えてしまいました。この年だけで15万人以上を受け入れることとなりました。
それ以降、スウェーデンの治安は悪化する一方で、銃による犯罪、放火、暴行などのニュースが日常的に発信されています。
その社会的変化と、寛容とされたスウェーデン人の変化が今度の選挙で可視化されようとしています。
他の争点は、高福祉を維持できるか、環境への対応も議論されていますが、やはり現在の与党の希望に反して移民難民問題がフォーカスされています。
スウェーデン選挙2018での極右ポピュリスト政党スウェーデン民主党の躍進は?
「反移民」「移民数の制限」を主張する、スウェーデン民主党(SD)が2010年の選挙で5%の得票率をえて、初めて議席を獲得しました。2014年の選挙では13%とさらに躍進しました。
これは2015年の大量流入の前の年であり、寛容的社会、難民移民へのスウェーデン社会や政治的思考の変化はその前から変わって来たことがわかります。
そして2015年以降において、与党政党も野党も、本腰を入れた移民難民制限に及び腰だったこともあり、SDの支持率が急速に上昇して、現在は第1党を伺う位置まで来ております。
現在の与党・社会民主はこの1世紀常に第1党の位置を維持して来ましたが、今回の結果は歴史上最悪となるという予想も出ています。
社会民主党最大の支持基盤は労働組合であり、スウェーデン最大の組合のスウェーデン全国労働組合連盟(LO)においても、スウェーデン民主党を支持する労働者が増えているため、労組メンバー間で緊張が高まっているという報告も見られます。
彼らは移民政策によって、外国人労働者の流入という現状に不満を持っており、現在の与党の移民政策への抗議でスウェーデン民主党に票を大量に投じる可能性があります。
4年前まで8年間(2006−2014)中道右派政党で連立政権を維持した穏健党も支持率はスウェーデン民主党以下というのが現状であり、選挙の結果次第では、スウェーデン民主党との連立を視野に入れる必要に迫られます。
穏健党も政権再奪取が今回の選挙の目的であり、スウェーデン民主党との話合いは政党支持者の反応を見ながら選挙後に慎重に行われるでしょう。
ただ、社会民主党が第1党を維持した場合は、あらゆる政党を結集させてスウェーデン民主党の政権入りを阻止する動きを見せるでしょう。
まとめ
スウェーデンの選挙2018年への難民移民問題の現状、そして、極右ポピュリスト政党、スウェーデン民主党の躍進とその後の連立政権入りに関してまとめました。