ノーベル物理学賞のメダル 真鍋淑郎さんに授与 米ワシントン、のニュースをまとめました。
ノーベル物理学賞のメダル 真鍋淑郎さんに授与 米ワシントン
ことしのノーベル物理学賞に選ばれたアメリカ・プリンストン大学の真鍋淑郎さんにノーベル賞のメダルを授与する式典が6日、首都ワシントンで行われました。
ことしのノーベル賞のメダルの授与は新型コロナウイルスの影響で、それぞれが住んでいる国で行われることになり、6日、アメリカの首都、ワシントンで式典が行われました。
ノーベル物理学賞に選ばれたプリンストン大学の真鍋淑郎さんは、化学賞と経済学賞を受賞する研究者2人とともに式典に出席し、笑顔でノーベル賞のメダルと賞状を受け取っていました。
式典に先立って行われたシンポジウムで、真鍋さんは「研究を楽しんできた人生でしたが、若い人たちも自分たちが得意なことや楽しめるテーマを見つけて、すばらしい時間を過ごしてほしい」と述べ、若い世代の研究者にメッセージを送りました。
真鍋さんは愛媛県の出身で、現在はアメリカ国籍を取得していて、気候をシミュレーションするモデルの基礎を開発して地球温暖化研究を切り開いた功績で、ドイツとイタリアの研究者とともにことしのノーベル物理学賞の受賞者に選ばれました。
日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含め28人目で、物理学賞では6年前の梶田隆章さんに続き、12人目になります。
真鍋さんのコメント
「本当に自分のやりたい好奇心満たす研究を」
さらに「若い人に言いたいんだけど、格好のいい研究、格好のいい分野を選ぶことは必ずしも考えないで、本当に自分のやりたい、好奇心を満たすような研究をやってほしい。若い人に自分の得意なことをやれと。興味があって得意なことをやれば、一生、楽しい人生を過ごせるので、これからぜひ、そういう具合に研究してもらいたい」と若い世代に対してエールを送っていました。
真鍋淑郎さん経歴と業績
1958年に、東京大学で博士課程を修了後、アメリカの海洋大気局で研究を行いコンピューターによる気候のシミュレーションモデルを開発しました。
1967年にはこのモデルを応用して二酸化炭素の濃度が2倍になると気温が2.3度あまり上昇することを導き出し、世界に先駆けて二酸化炭素の増加が地球温暖化に影響することを示しました。
1969年には大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、大気と海の熱の交換をモデルに取り入れることで、二酸化炭素が増加すると地球全体の気候がどのように変化するのかを導き出しました。
真鍋さんの研究成果は地球温暖化の研究に欠かせないものになり、真鍋さんは各国の温暖化対策に大きな影響力をもつ国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」が1990年に最初に出した第1次報告書の執筆責任者の1人にもなるなど、世界からさらに注目されました。
2015年にはアメリカのノーベル賞といわれる「ベンジャミン・フランクリン・メダル」を受賞。2018年にはスウェーデン王立科学アカデミーが選ぶクラフォード賞を受賞していました。
真鍋さんは渡米後の1975年にアメリカの国籍を取得して1997年に一度、日本に帰国し海洋研究開発機構などでも研究を続けていましたが、再びアメリカに戻り、2001年からはプリンストン大学で客員研究員を務めています。
官房長官「真鍋博士のような人材が輩出されるよう支援」
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211207/k10013377231000.html