世界的に有名なノーベル賞には、6つの項目があります。
文学賞、平和賞、経済学賞、化学賞、物理学賞、そして生理学・医学賞です。
今年の12月も、各分野の受賞者がストックホルムに集まり、授賞式そして華やかな晩餐会が催されて、その映像は世界に発信されます。今年も今からドキドキしている人も多いと思います。
ところで、最近ノーベル賞を受賞された日本人の方で、最も有名な受賞者の一人といえば、iPS細胞の山中伸弥氏ですね。彼は2012年のノーベル生理学・医学賞の受賞者です。
ところで、今までノーベル生理学・医学賞を取った日本人、そして、山中伸弥氏はどのような業績を上げたのでしょうか?そして、iPS細胞とはどのような細胞なのでしょうか?それらをまとめました。
ノーベル賞、日本人の生理学・医学賞の受賞者は何人?
生理学・医学の分野で、最先端かつ人類の歴史に名を残す、世界的なお仕事をされた日本人は数多くおられますが、そのうち、4人の研究者の方々がノーベル賞を受賞されておられます。
受賞の年度の古い順でご紹介すると
2012年 山中伸弥氏
2015年 大村智氏
2016年 大隅良典氏
となります。87年から実に25年ぶりに山中氏が受賞した時はちょっとしたセンセーションになりました。その後、15年16年と日本人が連続で受賞されているのもすごいですね。
2012年ノーベル生理学・医学賞の日本人受賞者、山中伸弥先生の業績は?
山中伸弥先生は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)と命名された細胞を発明したことで、ノーベル生理・医学賞を受賞されました。特筆すべきなのは、彼がこの細胞を生み出したのが2006年で、受賞が2012年という、受賞までの期間の短さです。それだけでも、このiPS細胞が革新的でこれからの医療を変えていく可能性があるか、ということがわかりますね。
山中伸弥先生が発見したiPS細胞とはどのような細胞なのでしょうか
では、このiPS細胞とはどのような細胞なのでしょうか?
まず、iPS細胞は、英語では正式にはinduced pluripotent stem cell と表記されます。日本語では、人工多能性幹細胞、と表記されます。
では、まず、多能性幹細胞pluripotent stem cellとはどんな細胞を指すのかというと、細胞が分裂して自分と同じ細胞を複製する能力(これを自己複製能と言います)を持つことと、自分とは別の種類の細胞に分化(構造的、もしくは機能的に細胞が変化すること)する能力を持つこと(これを分化能と言います)、この二つの条件を備えていることが必要です。さらに、生体を構成する細胞であれば、どのような細胞でも作り出すことのできる能力を持つ細胞が多能性幹細胞です。
そのような能力を持つ細胞を人工的に作ったのがiPS細胞で、世界で初めて山中伸弥氏が実験を繰り替えして、発明することに成功しました。人間の皮膚などの細胞に、複数の因子を導入して、その後培養して増やすことによって生成されました。
この細胞は様々な組織や、特定の臓器に特徴的な細胞に分化する能力を持つため、この細胞を使うことによって患者さんの怪我や病気を治す「再生医療」という分野において大いなる期待がされています。
ただ、新しい細胞なので、確立された治療として未だに利用されてはいませんが、これからの医療を大きく変える可能性のある細胞です。
日本では、2013年に人間でのiPS細胞の安全性を確かめる研究が開始されました。
まとめ
ノーベル生理学・医学賞に今まで4人の日本人が受賞されております。その中でも、山中伸弥先生の日本人として25年ぶりの受賞は大きく報道されました。山中先生が発明されたiPS細胞は、再生医療の分野で、これからの医療を大きく前進させる可能性があります。
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