新型コロナウイルスへの治療薬は現在いろいろ治験が行われております。
その結果はどうなっているでしょうか?
ここまでの情報をまとめました。
治療薬アビガンは、臨床研究で新型コロナウイルスへの有効性示せず
新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが5月19日、分かった。
アビガンは富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザの治療薬。新型コロナ向けに国の承認を得るには、臨床研究や治験でウイルスの減少や肺炎症状の改善といった効果があるとのデータを示す必要があるが、企業による治験は完了していない。安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。
企業とは別に、藤田医大(愛知県)を中心に多施設共同の臨床研究を実施。無症状と軽症の感染者を対象としてアビガンの投与時期を変えて比較する内容で、このデータが国の承認審査で活用できると期待されてきた。
アビガンは催奇形性の問題などがあり、専門家からは「効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない」「月内の承認方針は前のめりだ」などの声が出ている。
5月中旬に厚生労働省に報告された中間解析結果で、ウイルスの減少率に明確な差が出なかった。しかしながら、研究は今後も続けることが決まった。
自治医大の田村大輔准教授(小児感染症学)は「薬は厚労省や規制当局が利益と危険性を評価して世に出さなければならない。アビガンが飛び抜けて治療効果が高いとのデータはなく、科学的根拠に基づき慎重に評価すべきだ」と指摘する。
ほかにも全国の医療機関が参加する研究でアビガンが投与された患者約3000例のデータが集まっている。結果は近く公表予定だが、関係者は「審査の補足資料にはなるが、承認の主要な根拠には使えない」と話す。
アビガンに関しては投与後に症状が改善したという著名人の発言が広がっており、治療薬としての期待が高まっていた。
一方、新型コロナ感染者の多く(8割)が自然に治るとされ、薬の効果を証明しにくい側面がある。
出典
https://mainichi.jp/articles/20200520/k00/00m/040/005000c
トランプ氏推奨の抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンとクロロキン、新型コロナウイルスで死亡率増加
ヒドロキシクロロキンは抗マラリア剤であり、また、全身性・皮膚エリテマトーデス治療薬です。海外では関節リウマチの炎症の軽減にも用いられる。
トランプ米大統領をはじめとする政治家らが新型コロナウイルス感染症への治療薬として推薦したところ、各国政府が大量購入、治験が始まっております。そして、トランプ氏は自身がヒドロキシクロロキンを服用していると明かしておりました。
また、クロロキンも抗マラリア剤のひとつで、マラリアの治療もしくは予防のために用いられる。
ヒドロキシクロロキンとクロロキンについて、入院患者に効果は見られず、死亡率や不整脈が増加する可能性が高いとの研究結果を米国とスイスのチームが5月22日、英医学誌ランセットに、チームは「新型コロナ感染症を改善する可能性は極めて低い。投与は臨床試験に限るべきだ」と発表されました。
同薬を投与された1万5千人と非投与の8万1千人を比べた大規模な分析です。ヒドロキシクロロキンのみを投与された患者、クロロキンのみを投与された患者、さらにそれぞれの薬と抗生剤を併用した患者の計4グループと、これらの投与を受けていない制御グループの治療結果を比較した。
世界の約670の病院について、4月半ばまでの入院患者のデータを調査。
この対象期間内の死亡率は、コントロールグループで約9%だった。
一方で、ヒドロキシクロロキンとクロロキンを単剤投与された患者ではそれぞれ18%と16.4%、非投与の9%より高かった。
死亡率は抗生剤併用時にさらに増加し、クロロキンでは22.8%、ヒドロキシクロロキンでは23.8%だった。
ヒドロキシクロロキンとクロロキンはいずれも、不整脈などの深刻な副作用を引き起こす可能性があることがわかっていますが、新型コロナウイルス感染症の入院患者に対する治療効果がなく、投与によりむしろ死亡率が増加したと結論付けている。
トランプ氏は20日、近く服用をやめる方針を明かした。
出典
https://www.sankei.com/world/news/200523/wor2005230006-n1.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3284467
まとめ
アビガン、ヒドロキシクロロキンとクロロキンの新型コロナウイルスへの効果は現在のところ、厳しいという結果が出ております。