参議院選挙2019の結果、比例区の特定枠とれいわ新撰組の当選者について

投稿日：2019-07-23

２０１９年７月２１日に参議院選挙の投開票が行われ、改選議席が確定しました。
各党、様々な思惑の選挙戦でしたが、今回から、特定枠、が導入されたのが特色です。
参議院選挙2019の結果、比例区の特定枠、れいわ新撰組の当選者についての説明をまとめました。

参議院選挙2019の結果について

第25回参議院議員通常選挙は2019年7月21日に投開票が行われました。
今回の改選議席は３議席増の１２４議席（選挙区７４、比例区５０）です。
その結果は以下の通りです。

2019年の参議院選挙の結果について　自民公明

選挙前の安倍首相の目標は、与党で改選数124の過半数63議席をラインと設定しておりました。
自民、公明の与党はその過半数を超える計７１議席を獲得しました。
ただし、改選議席７７からは６議席を減らしました。

自民党が得た５７議席は、２０１６年参院選の５６議席（追加公認含む）を上回りました。自民党の参院での総議席数は、非改選５６議席を合わせた113ですが、改選前の123からは１０減りました。

もう一つの与党、公明党は選挙区選に擁立した７人全員が当選しました、さらに、比例選の７議席を合わせ、公明党として過去最多に並ぶ１４議席を獲得しました。
公明党の参院総議席数は、改選前の25議席から、非改選14を合わせて28に増えました。

与党全体、自民公明合わせて141と与党系無所属３をくわえた144議席となりました。

そして、改憲に前向きな党の議席数は１６０となり、３分の２に足りなくなりました。

2019年の参議院選挙の結果について　野党

野党勢では、立憲民主党は比例選では自民党に次ぐ８議席を獲得し、改選９議席から１７議席に伸ばしました。
改選８議席の国民民主党は２減の６議席。
旧民進党の立民、国民両党の議席を合わせると計２３議席で、１６年に民進党が獲得した３２議席を下回りました。
ただし、両党が１人区で支援した無所属野党統一候補は８人が当選しました。

共産党は改選８議席から１減らし７となりました。日本維新の会は１０議席としました。
社民党は改選１議席。れいわ新選組は２議席、ＮＨＫから国民を守る党は１議席をそれぞれ比例選で獲得しました。

参議院の野党全体としては、１０１議席となりました。

参議院選挙の選挙区

参議院議員改選選挙は、選挙区選出議員選挙（選挙区選挙）と、比例代表選出議員選挙（比例代表選挙）の二つが同時に行われます。
2019年の選挙では、一回の選挙で改選される議員定数124のうち、選挙区からは７４人、比例区からは５０人が選出されました。

参議院選挙の改選選挙区は、原則として全国の各都道府県（鳥取県・島根県、徳島県・高知県はそれぞれ２県の区域とされる）の区域を単位として選挙区を設置、全国で４５の選挙区に分けられています。その各選挙区に、人口に応じて2～12人の定数を配分しています。例えば、東京の選挙区で12人、大阪、神奈川の選挙区で8人となっています。

2018年7月の公職選挙法改正で比例代表は96から100になり、参議院総定数は242から248となりました。

2019年、2022年に、埼玉選挙区は一人、比例代表区は二人それぞれ増え、３人ずつ二回の選挙で増やして６人参議院議員を増やします。

参議院選挙2019の特定枠についての説明

さらに2019年の選挙から、比例代表には拘束名簿式の「特定枠」を新設されました。これは、あらかじめ政党が決めた優先順位に従って当選者が決まる、すなわち「特定枠」が設けられます。

この特定枠の候補者は、個人の得票に関係なく、名簿の順に当選が決まります。

そもそも、この特定枠は、自民党が、選挙区の合区制度によって、鳥取県と島根県、徳島県と高知県どちらかの県からしか候補を擁立できなくなったことが背景にあり、推進したと言われています。

この特定枠を利用することで、合区の片方の県からも確実に参議院議員を排出させたい、との自民党の思惑がありました。
そして、実際、自民党は、合区で候補者を出せせていない、徳島県と島根県から立候補者、三木亨氏、三浦靖氏を特定枠の議員候補者としました。そして、この二人は、予定通り当選しました。

ところで、この「特定枠」に関しては、使うかどうか、そして、いかにを使うか、例えば、何人を適用するかについては、各党が自由に決めることができます。今回は自民党が二人、れいわ新撰組が二人、労働党が一人に利用しました。

れいわ新撰組はこの「特定枠」で、二人の重度の身体的にハンディキャップがある候補者、筋萎縮性側索硬化症 ALS患者で全身麻痺、人工呼吸と胃瘻を設置されており、介護が必要な舩後靖彦氏（６１）と、脳性まひで障害があり、電動車椅子を操作する右手以外、体が不自由な木村英子氏（５４）の二人を立てて、その二人ともが当選しました。
そして、その一方、１００万票近く集めた山本太郎党首が落選するということが起こりました。