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参議院を廃止し二院制を一院制にする利点と不利益について

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希望の党が、昨年の衆議院選挙の前に掲げた公約の政治の部分で一院制を導入すると表明しました。

これにより、二院制、一院制についての議論が起こりました。依然として日本の政治における重要な議題です。

一方、今年の国会で、参議院の議席を増やすという法案が通過しました。

そこで、日本における二院制、そして参議院を廃止し一院制にするメリットとデメリットを考察しました。

日本における二院制とは

日本の国会には、衆議院議会と参議院議会の二つの議会が存在します。これが日本の二院制です。世界ではこのように二院制の制度がある国と、議会が一つしかない国に別れています。

日本では、二院制を一院制にするべきかどうか、という議論が継続してなされております。

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参議院を廃止し一院制にするべきかどうか

希望の党の公約には「衆院と参院の対等統合による一院制の導入で、議員定数と議員報酬、国会運営に関する費用を大幅に削減する」と記載されていました。金銭的な問題以外にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

参議院廃止のメリットについて

一院制に移行することによって、下記の二院制のデメリット、すなわち、参議院が今後も存在することによるデメリットを解消できる可能性があります。

1. 人件費など諸経費が参議院分、議員分余計にかかる。
2. 衆議院と機能が重複している部分においては、非効率であると言える。
3. 法案の再審議によって、迅速さが必要な政策でも決定が遅れる可能性がある。
4. 衆参両院の意思統一に労力と日時を要する場合がある。
5. 参議院が衆議院の決定を強く拒否した場合、状況によっては立法上の行き詰まりとなる。
6. 一方、参議院の意見が軽視される状況においては、二院制の有効性と政治的正統性、意義が問われることになる。

上の4、5、の一番問題が発生しやすいのが、いわゆるねじれ国会と呼ばれる状況です。

ねじれ国会について

ねじれ国会とは、日本の国会においては、衆議院で与党が過半数の議席を持っているにもかかわらず、参議院では過半数に達していない状態のことを指します。

このような場合においては、参議院での法案の採択拒否などで、国会運営が停滞する可能性があります。

そして、政府・内閣が提案する議案が参議院で不成立となると、政府の政策実施が一旦滞ってしまします。

(ただし、最終的には、衆議院の優越、という原則に従うため、完全に行き詰ることはありません。

衆議院の優勢に関しては、こちらのリンクでまとめています。
衆議院の参議院への優越とは?

参議院を廃止するメリットの一つとしては、この「ねじれ国会」がなくなり、迅速な国会運営が可能となります。

参議院廃止のデメリット、二院制のメリットについて

参議院廃止のデメリットとは、現行の日本の二院制のメリットとも言えます。
二つ目の院が同じ法案を再審議することによって、深い議論が可能となり、もう一つの衆議院に対するチェック機能が働く可能性があり、それが日本の参議院の存在価値とされています。

これらのメリットのまとめは下記の通りです。

1. 衆議院の衝動的な行動を参議院がチェックすることができる。
2. 衆議院だけでの拙速と思われる審議が避けられ、より国会自体で慎重に法案を審議することが可能となる。
3. 1、2により、日本国民のより多様な意見や利益団体の代表として、国会が健全に機能できる。
4. 立法機能を二院に分割することによって、一つの立法府の決定が即決定事項となることを抑止できる。
5. 参議院が国民の「良識の府」として機能することが期待される。

衆議院は4年と任期が短く、解散制度もありますので、参議院より議員期間が短くなります。
そのような衆議院と与党の議員による拙速な動きがないかどうかをコントロールする役割を参議院が期待されています。

そして、衆議院が解散され、国会が断続的になるという欠点を補うため、任期が6年と長い参議院が存在する意義があるとされています。

これは、長期的な検討課題がある場合において、参議院が重要性を増します。

一院制の場合、国政の総選挙の結果で与党が変わった場合、国家の政治的な方針がいきなり大幅に変わってしまうことになります。
これにより、政情不安定に傾く危険性があります。

こういった観点によって、第二次世界大戦後の政治改革において、日本は二院制を残すという決定となりました。

日本が一院制を導入したらどうなる?

日本が一院制にすれば、少なくとも議員が現在より少数精鋭になり、また、歳費の削減にもなります。現在の参議院議員の中に、正直、日本の国会議員としての資質を問われても仕方がない議員も数人紛れています。

そして、決断が早い、時を捉えたダイナミックな政治となる可能性があります。

一方、参議院による衆議院への適度な抑制がなくなった国会のあり方に関する不安も残ります。

また、衆院と異なるタイミングで選ばれた別の議会があることによって、一時の時勢に乗っただけのポピュリスト勢力が政治を牛耳る、未熟な政治が行われる、という可能性を防ぐこともできるでしょう。

そして、国際政治の舞台においては、短期的視野だけでなく中期、そして長期的視野が必要となります。

当然、日本のあり方や政治に関してもそうであることは言うまでもありません。

憲法の改正など大きな課題が控えている日本において、参議院の存在はこれからも重要度を増すと思われます。

そして、現実は、参議院議員を増員する、という法案が今年通過しました。一院制になる可能性はほぼないと思われます。

まとめ

希望の党が公約に掲げた参議院廃止と一院制について、日本の二院制について、そのメリットとデメリットをまとめました。
憲法の改正など大きな課題が控えている日本において、参議院の存在はこれからも重要度を増してくると思われます。そして今年、参議院議員数増員の法案が通過しました。

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