衆議院総選挙は終了、与党は過半数を維持、敗北した立憲民主党の枝野代表は代表を辞任する意向です。
そこで、2021、2017年の出口調査から見る、衆議院 年代別 投票率をまとめてみました。
若い世代の有権者はどの政党を支持していたのでしょうか?
2021 衆議院選挙での年代別支持政党率
自民党は若い世代からの支持が厚めで、立憲民主党は高年齢層頼みが続く。
10月31日投開票の衆院選の朝日新聞出口調査で、比例区投票先を年代別に分析するとその傾向が見られる。
比例区投票先を年代別にまとめたら (出典 朝日新聞)
10代 自民党 42% 立憲 17% 共産 5%
20代 自民党 40% 立憲 15% 共産 5%
30代 自民党 37% 立憲 14% 共産 5%
40代 自民党 35% 立憲 17% 共産 5%
50代 自民党 35% 立憲 20% 共産 6%
60代 自民党 33% 立憲 24% 共産 8%
70歳以上 自民党 37% 立憲 24% 共産 9%
このように、10代20代の自民党人気は根強く、一方、立憲共産は60代以上での人気がある政党ということがわかります。
以前の結果はいかがだったでしょうか?
2017 衆議院選挙での年代別支持政党率
日本経済新聞の10月22日の出口調査の結果によると、
有権者全体での支持政党とその率は
自民党 36.0%
希望 11.8%
立憲民主 14.0%
公明 5.4%
維新 3.8%
共産 5.3%
社民 1.1%
その他 3.8%
支持政党なし 18.8%
そして、18、19歳の支持政党とその率は
自民党 39.9%
希望 10.7%
立憲民主 7.0%
公明 6.5%
維新 3.9%
共産 3.3%
社民 1.0%
その他 3.7%
支持政党なし 24.1%
という結果です。
(出典は https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22561000S7A021C1EA2000/)
若年層の多くが自民党を支持している、という傾向がこの選挙結果ではっきりしています。
2017 世代別の政党支持率
テレビ朝日の出口調査によると世代別にもっと厳密に調べられていました。
(出典、テレビ朝日の出口調査のテレビ報道より)
自民党の世代別支持率
18、19歳 47%
20代 49%
30代 40%
40代 35%
50代 32%
60代 30%
70歳以上 37%
公明党の世代別支持率
18、19歳 9%
20代 9%
30代 9%
40代 10%
50代 11%
60代 10%
70歳以上 10%
希望の党の世代別支持率
18、19歳 16%
20代 14%
30代 17%
40代 18%
50代 18%
60代 18%
70歳以上 16%
立憲民主党の世代別支持率
18、19歳 12%
20代 12%
30代 16%
40代 19%
50代 22%
60代 24%
70歳以上 20%
日本維新の会の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 7%
30代 9%
40代 9%
50代 7%
60代 6%
70歳以上 4%
日本共産党の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 5%
30代 6%
40代 7%
50代 7%
60代 9%
70歳以上 9%
2017 世代別支持率の分析
年代別に自民の支持率をみると、20代までは40%後半の支持率である一方、40~60代はいずれも30%台前半だった。
立憲民主党は高齢層の支持率が高かったが、10~30代ではそれほど高い支持は得られていない。そして、共産党も高齢層のほうが若年層より支持率が高い、という結果となった。
若者の方がより革新的な志向を持ち、より左的な党への信頼が高かった、と一般的には信じられていたが、実はそれは昭和の時代で終わった話だったのかもしれない。
昭和に若い時代を生きたその年代がそのまま中高齢者になって、彼らの志向は変わらず、一方、若者はその後の平成の不況や世界のより複雑となった現実を見つめて、責任がある、そして安定感のある与党政党に人気が集まっているのであろう。
また、情報を得る方法として、インターネットにリアルタイムでアクセスしている若いネット世代と、テレビしか見ない、もしくはメジャーな新聞への権威がまだ残っている年齢層、その世代間の支持政党の傾向の違いが顕著になったとも考えられる。そして、そのテレビ世代の絶対的数はこれから減る一方である。
今後長い目で見る民意の流れとしては、ネットでの情報の可視化、マスコミの民意誘導に嫌悪感を抱く世代が増えて行くことにより、さらにより保守的な政党が支持を集める方向に向かうのではなかろうか。
2017年12月10日の時点のNHKの世論調査の結果はこちらです。
世論調査の内閣支持率最新をNHKが発表。政党支持率の推移と調査方法について
なお、若い世代の自民党支持率が高いこと、若者の保守化については幾つかの考察がされていますが、毎日新聞の考察とその分析は以下のリンクにまとめました。
年代別自民党支率と若者の保守化についての毎日新聞の記事への考察
2017衆議院選挙と2019参議院選挙での世代別政党支持率をまとめて分析しました。
衆議院選挙2017参議院2019の年代別支持政党率、18・19歳は自民支持で立憲民主は高齢層支持
れいわ、共産、社民の年代別支持率をまとめました。
参議院選挙2019の年代別支持政党率とその分析
20190722開票
参議院選挙2019開票速報、与党は過半数。1人区で自民22勝10敗
参議院選挙2019全議席確定、自民党公明党過半数越え、N国党比例当確、丸山議員に入党呼びかけ
参議院選挙2019全議席確定、自民党公明党過半数越えも改憲の3分の2を満たさず
まとめ
メディアによる衆議院選挙2021、2017の出口調査での年代別支持政党率をまとめました。若い世代には自民党が支持が高く、一方、60代の世代では立憲民主党や共産党の支持が比較的高いことなどがわかりました。
これらの世代間の支持政党の差は、生きてきた世代の社会状況や、情報を得る方法がネットと新聞テレビの差である事が影響していると考えられます。
日本の国会に関する記事のリンク集
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