岸田内閣は若者に不人気だそうです。2017年の衆議院選挙の時の出口調査から見る、衆議院 年代別 投票率をまとめてみました。
18~19歳の有権者はどの政党を支持していたのでしょうか?
岸田内閣 若者の支持率10%! 安倍、菅内閣と真逆
こうなると衆院解散どころか、早期退陣もあり得るのではないか。低迷していた岸田内閣の支持率が、もう一段、下落しはじめた。朝日(29%)、毎日(25%)、読売(34%)、共同(32.3%)、時事(26.3%)と、軒並み過去最低を更新している。
自民党議員が慌てているのは、大きなスキャンダルもないのに支持率が下がっていることだ。自民党の支持率も落ちている。
「首相秘書官だった岸田首相の長男が不祥事を起こした時も、内閣支持率は下落しています。でも今回は、分かりやすい下落原因が見当たらないのに下がっている。しかも、支持率をアップさせるために、女性閣僚を5人も登用し、ガソリン補助金も延長した。旧統一教会の解散命令請求も提出した。それでも過去最低を記録してしまった。心配なのは、経済対策に『期待できない』が約7割に達していることです。もし、国民生活の悪化が支持率の下落要因だとすると、もはや小手先の人気取りでは支持率の回復は難しくなります」(自民党関係者)
特徴的なのは、若者の支持が極端に低いことだ。
時事通信の10月調査によると、「18~29歳」の支持率は10.3%だった。「30歳代」も18.1%と低かった。支持率は、年齢にほぼ比例し、「70歳以上」が36.0%と一番高かった。世代間ギャップが大きく、「70歳以上」と「18~29歳」の間には25.7ポイントもの開きがあった。
男女別では、「男性」29.9%、「女性」22.5%と、7.4ポイントの差があった。全体の内閣支持率は26.3%と過去最低だが、相対的に「高齢者」「男性」の支持が高く、「若者」「女性」の支持が低いのが岸田内閣の特徴だ。「若者」の支持が高かった安倍内閣や菅内閣とは真逆である。明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。
「安倍内閣はキャッチフレーズがうまく、なにか新しいことをやっているイメージがありました。若者の雇用も改善した。菅内閣には携帯電話の料金を大幅に下げるという実績があった。だから、若者の支持が高かったのでしょう。ところが岸田内閣からは、なにをやりたいのか、ビジョンやメッセージが見えてこない。若者は、そこにモノ足りなさを感じているのだと思います。
物価高もあります。貯蓄の乏しい若者に物価高は切実ですからね。その一方、安倍、菅政権の時は、賛否が分かれ、国民世論が分裂することが多かったのに比べ、合意型の岸田政権は安心感がある。高齢者の支持が高いのは、そのためでしょう。それと、かつて高齢者が経験した古き良き時代を象徴する“宏池会”の出身総理だという思いもあるのだと思います」
岸田支持層には、景気のいい時代に人生を謳歌し、十分な退職金と相当の年金をもらっている恵まれた高齢者が多いのかも知れない。しかし、この先、高齢者の支持も離れる可能性がある。
「多少の貯蓄があった高齢者も、物価高が2年に及び、不安が強まっているはずです。後期高齢者は医療費負担も大幅に増やされた。岸田内閣の発足時は、宏池会出身という期待も高かったが、少しずつ失望に変わりはじめてもいます。高齢者は投票率が高いだけに、野党に一票を投じたり、棄権すると、自民党は思わぬ敗北を喫する可能性があります」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
若者が大挙して投票所に足を運んだら、自民党は真っ青になるに違いない。
出典
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/330743
衆議院選挙での年代別支持政党率
日本経済新聞の2017年10月22日の出口調査の結果によると、
有権者全体での支持政党とその率は
自民党 36.0%
希望 11.8%
立憲民主 14.0%
公明 5.4%
維新 3.8%
共産 5.3%
社民 1.1%
その他 3.8%
支持政党なし 18.8%
そして、18、19歳の支持政党とその率は
自民党 39.9%
希望 10.7%
立憲民主 7.0%
公明 6.5%
維新 3.9%
共産 3.3%
社民 1.0%
その他 3.7%
支持政党なし 24.1%
という結果です。
(出典は https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22561000S7A021C1EA2000/)
若年層の多くが自民党を支持している、という傾向がこの選挙結果ではっきりしています。
世代別の政党支持率
テレビ朝日の出口調査によると世代別にもっと厳密に調べられていました。
(出典、テレビ朝日の出口調査のテレビ報道より)
自民党の世代別支持率
18、19歳 47%
20代 49%
30代 40%
40代 35%
50代 32%
60代 30%
70歳以上 37%
公明党の世代別支持率
18、19歳 9%
20代 9%
30代 9%
40代 10%
50代 11%
60代 10%
70歳以上 10%
希望の党の世代別支持率
18、19歳 16%
20代 14%
30代 17%
40代 18%
50代 18%
60代 18%
70歳以上 16%
立憲民主党の世代別支持率
18、19歳 12%
20代 12%
30代 16%
40代 19%
50代 22%
60代 24%
70歳以上 20%
日本維新の会の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 7%
30代 9%
40代 9%
50代 7%
60代 6%
70歳以上 4%
日本共産党の世代別支持率
18、19歳 6%
20代 5%
30代 6%
40代 7%
50代 7%
60代 9%
70歳以上 9%
世代別支持率の分析
年代別に自民の支持率をみると、20代までは40%後半の支持率である一方、40~60代はいずれも30%台前半だった。
立憲民主党は高齢層の支持率が高かったが、10~30代ではそれほど高い支持は得られていない。そして、共産党も高齢層のほうが若年層より支持率が高い、という結果となった。
若者の方がより革新的な志向を持ち、より左的な党への信頼が高かった、と一般的には信じられていたが、実はそれは昭和の時代で終わった話だったのかもしれない。
昭和に若い時代を生きたその年代がそのまま中高齢者になって、彼らの志向は変わらず、一方、若者はその後の平成の不況や世界のより複雑となった現実を見つめて、責任がある、そして安定感のある与党政党に人気が集まっているのであろう。
また、情報を得る方法として、インターネットにリアルタイムでアクセスしている若いネット世代と、テレビしか見ない、もしくはメジャーな新聞への権威がまだ残っている年齢層、その世代間の支持政党の傾向の違いが顕著になったとも考えられる。そして、そのテレビ世代の絶対的数はこれから減る一方である。
今後長い目で見る民意の流れとしては、ネットでの情報の可視化、マスコミの民意誘導に嫌悪感を抱く世代が増えて行くことにより、さらにより保守的な政党が支持を集める方向に向かうのではなかろうか。
2017年12月10日の時点のNHKの世論調査の結果はこちらです。
世論調査の内閣支持率最新をNHKが発表。政党支持率の推移と調査方法について
なお、若い世代の自民党支持率が高いこと、若者の保守化については幾つかの考察がされていますが、毎日新聞の考察とその分析は以下のリンクにまとめました。
年代別自民党支率と若者の保守化についての毎日新聞の記事への考察
2017衆議院選挙と2019参議院選挙での世代別政党支持率をまとめて分析しました。
衆議院選挙2017参議院2019の年代別支持政党率、18・19歳は自民支持で立憲民主は高齢層支持
れいわ、共産、社民の年代別支持率をまとめました。
参議院選挙2019の年代別支持政党率とその分析
20190722開票速報
参議院選挙2019開票速報、与党は過半数。1人区で自民22勝10敗
参議院選挙2019全議席確定、自民党公明党過半数越え、N国党比例当確、丸山議員に入党呼びかけ
参議院選挙2019全議席確定、自民党公明党過半数越えも改憲の3分の2を満たさず
まとめ
岸田内閣 若者の支持率10%! 安倍、菅内閣と真逆 衆議院選挙2017の年代別支持政党率とその分析をまとめました。
日本の国会に関する記事のリンク集
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